早稲田大学商学学術院教授でボストン コンサルティング グループ シニア・ヴァイス・プレジデントの内田和成さんの著書「論点思考」を読みました。
内田さんの他の著書「仮説思考」も面白い本でしたが、今回の論点思考と併せて読むのは、自分の思考のグレードアップにいいと思いました。
この本で書いてあることを一言で言うと....
ビジネスにおいて問題解決を行うときに、一番最初に大事なのは、正しい問題設定をしているかということだ。
これを論点と言い、論点について分かりやすく深く解説をしている。
本書内で印象に残った箇所を抜き出してコメントしてみます
本の中には論点とはなんぞやということが、分かりやすい問題と共に書いてある。
例えば下のように論点は当たり前のことではないと分かりやすく書いている。
どこにでもある一般的な問題は論点にならない
そして、目の前の問題から論点を抽出した際の論点の善し悪しを見極めるときの判断軸を下のように書いてある。
本書の中にはより詳しく書いてある
筋の善し悪しを見極める
次の三つのポイントで問題を検討する1.解決できるか、できないか。
解けない問題にチャレンジするのは無意味である。2.解決できるとして実行可能(容易)か
実行可能性を考えると、.....問題を解くときに、「一番重要な問題から解く」という方法と「解ける問題から解く」という方法がある。この場合、後者のほうがうまくいく可能性がある。3.解決したらどれだけの効果があるか。
苦労して実行しても、効果の上がらないケースはある。それでは意味がない
では、論点を見つけるときに何からするのかも下のように書いてあります。
まずは、現状を直視するのでしょうね
まず、現状把握から始める
おおなまな流れとしては、最初に現象がある(問題、論点ではない)。
そこから仮説を立て、論点を拾い出す。次に仮説として立てた論点が、正しいかどうかを考える。
また、説けない論点、解いてもインパクトの小さい論点であれば、外したり、優先順位を下げるなど、論点の絞り込みをし、検証整理、構造化を図る。
いい論点を探すときに、いろんな切り口で考える必要がある。
または1つの視点で考えてて煮詰まることが僕には良くある。
そんなときは視点・切り口を変えるといいのだが、視点の変え方も下のように書いてくれている。
視点ー切り口を変える
1.逆から考える
2.業界最下位だったらどうするか
3.現場目線で考える
4.両極端に振って考える
5.ロングレンジで考える
6.自然界からの発想
7.日常生活からの発想
8.アナロジーからの発想
9.顧客視点で見る
10.鳥の眼・虫の芽で考える
頑張って論点を出して解決策を提示しても、お客さんに反論されることもあるのでしょうね。
そんなときは下のようにするのがいいとのことですよ。
内田さんの器の深さを僕は感じてしまうのです。
反論されても、説得せずに聞く
そして、内田さんがお客さんたちに問題解決の提案をするときに1番大事にしているのが、ロジックではないのが、僕は非常に共感できました。
ロジックを卓越して人を動かすものは情熱なのでしょうね。
私自身がコンサルタントとして顧客に問題解決の提案をするときに一番大事にしているのは、論点とアプローチが、いかに相手を「わくわく、どきどき」させるかということだ。
さらに、内田さんは自分の頭の中にネタを整理してたくさん格納しています。
これと同じことがすぐにはできないにして、ネタの引き出しを5つぐらいをもって
ネタを格納しておきたいと思います。
私は頭の中に20の引き出しを持っている。その20の引き出しの中にさらに20ずつのネタが入っている。それぞれのネタには思い出しやすいようにユニークな見出しが貼られている。
例えば、20の引き出しのタイトルとしては「リーダーシップ」「パラダイムシフト」「ビジネスモデル」などがある。...
...20ほどの事例がフォルダに入っている。これがネタである。例えば、「リーダーシップ」の引き出しには、「キャプテンの唇」とか、「オフト監督の牛」といった興味を引きそうな見出しをつけておく。
最後に
長年コンサルタントを行っていた内田さんの秘密兵器の1つがこの論点思考なのだろう。
問題解決というと問題解決の下の手順をならったことがある。
- What(何が問題なの?)
- Where(どこが問題なの?)
- Why(なぜ問題なの?)
- How(どうやって解決するの?)
このフローを勉強したが、勉強前に思っていたのは、4番目のHowが大事だと思っていた。
しかし、少し勉強をすると3番目のWhyが大事だ!と思う。
もう少し勉強すると2番目のWhereが重要だと思っていた。
もしかしてもっと勉強すると1番目のWhatが一番重要で奥が深いことが分かるのかなと思った。
そんなことを実感させてくれたのと、考えることの奥深さ、大事さを本書を読むことで認識できた。
"考えるのを辞めなければ答えは出る"ことを信じて、これからも考え続けるぞ!