ハース兄弟の著書「スイッチ」を以前紹介しましたが、彼らの本が面白いので別の著書「アイデアのちから」を読んでみました。
この本は人に一発で覚えられるアイディアってどんな物で、なんでなんだろうということが書いてあります。
面白かったので、エッセンスを軽く書いてみます。
凄いアイディアの6つの条件
本書では、人、世の中を動かす凄いアイディアの条件として下の6つを挙げています。
この6つの頭文字を並べると"SUCCES"(サクセス)となる
では、この6つの条件のそれぞれのポイントを紹介してみます。
1. Simple 単純明快である
アイディアが単純明快であるのは重要なこと。
単純明快だと、話しやすい、分かりやすい、理解しやすいので人に伝わりやすくなります。
そして、本書では、単純明快であるためのポイントを2つ紹介しています。
1. 核となる部分を見出す
最も重要なところを見きわめる
2. 核となる部分を伝える
単純明快であること=核となる部分+簡潔さ
こちらが伝えたいことが仮にたくさんあったとしても
最も重要ポイントに絞って相手に伝えることがいいのでしょう。
下で書いてあるように、選択と集中が大事なのです。
大事なのは平易化ではなく、的確さと優先順位である
では、アイディア、自分の言葉を簡潔にするための方法を3つ書いているので併せて紹介します。
簡潔にするためには
1.既にあるものを利用する:既存のイメージを利用
2.明確なコンセプトの企画:映画スピードを一言で言うと「バスを舞台にしたダイ・ハード」
3.創造的類推の利用:ディズニーの「キャスト」
2. Unexpected 意外性がある
アイディアに意外性があることは非常に大事です。
意外性があると聴き手が関心を持ってくれます。
下の2つのポイントでは、関心をつかむこととつなぎとめることを書いている
1. 関心をつかむ:驚き
そして、人々の関心をつかむ最良の方法は、既存のイメージを単刀直入に打破することだ。
・パターンを打ち破る
関心をつかむ最も基本的な方法は、パターンを破ることだ。
人間は一貫したパターンがあると、すぐに順応する。
同じ感覚的刺激を繰り返し受けると、それに注意を払わなくなるのだ。
パターンを破ることで聴き手の頭の中で「なんじゃ、こりゃ?」という反応が起きて、関心を持つのでしょう。
理由は人間の脳は変化に敏感にできているからです。
2. 関心をつなぎとめる:興味
関心をつなぎとめるには下の4つのポイントがある。
- 謎を生み出す
- 好奇心の隙間理論
- 隙間を生み出す
- 長期にわたり興味をつなぎとめる
さらにアイデアを記憶に焼き付けるための下のプロセスも本書に書いてある。
アイデアを記憶に焼き付ける物にするには、次のようなプロセスをたどるとよい。
1.自分が伝えるべき中心的メッセージを見きわめる(核となる部分を見きわめる)。
2.そのメッセージの意外な点を探し出す(核となるメッセージが言外に示す意外なことや、当たり前のようなのになかなか実現しない理由など)。
3.どきりとさせる意外なメッセージの伝え方で聴き手の推測機械を破壊する。推測機械が作動しなくなったら、今度はその修正を促す。
3. Concrete 具体的である
アイデア、話しが具体的であることは重要ですよね。
抽象的な話しばかりされると、理解しにくくなり、話しを聞いていて眠くなってしまいがちです。
具体的にするためのコツを下に紹介します。
1. 理解と記憶を促す
- 童話のような具体性を持たせる。抽象的なものに具体性を持たせる
- 具体的な文脈を与える
- 相手を物語に参加させる
- 記憶のマジックテープ理論
2. 協調を促す
例えば、エンジニアと製造チームでのコミュニケーションの場合、双方の理解度が同じになる共有の立脚点を見出すときに下のポイントが役立ちます。
- 具体的な共通目標を定める
- 現実味を持たせる
- 具体性が役立つ理由
- 相手が知識を発揮できる場を生み出す
- データではなく人に焦点を当てる
4. Credible 信頼性がある
話しが面白くても信じてもらえなければ相手は話しをすぐに忘れてしまいます。
だから、信頼性についても考慮することが大事です。
1. 信じてもらう
話す人によって、信頼性を与えることがあります。
または、実験データのような証拠を提示することで信頼性を高めたりします。
2. 外部からの信頼性
外部から権威のある人に手伝ってもらうことで信頼性を得ることができます。
健康食品の通販番組でお医者さんが出演することで、効能についての信頼を得ようとしますよね。
3. 内在的信頼性
下の4つのことで内在的な信頼性を得ることもできる。
- 説得力ある細部の利用
- 統計に実感をわかせる
- シナトラ・テスト(もっとも過酷なテスト)に合格する事例を見出す。
- 検証可能な信頼性を用いる
そして、1度聞くと忘れられない話しとしては、都市伝説がそうだろう。
都市伝説から学べることを以下に書いてある。
都市伝説から学でべきことは、鮮明な細部描写は信頼性を高めるということだ。
ただし、1つ付け加えておくことがある。
その細部は、偽りの無い細部、核心に迫る細部でなければならないということだ。
核となるアイデアを象徴し、裏付ける細部を見出さなくてはならない。
5. Emotional 感情に訴える
アイデアが感情に訴えているかというのも大事なポイントです。
そのために本書では4つポイントを紹介しているが、ここでは1つのことを紹介します。
1. 自己利益に訴える
通販広告のキャッチコピーがとてもいい例だ。
抽象的メリットを語らず個人的メリットだけを語って心を鷲掴みにする。
下には、最高のコピーライターの言っていることを紹介する。
史上最高のコピーライター ジョン・ケープルズは以下のように述べた
「何よりもまず、あらゆるコピーに相手の自己利益を盛り込むことだ。
欲しかった物がここにあると思わせるようなコピーを書く。
そんなことはごく基本的なルールで、当たり前だと思うかもしれない。
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このように自己利益に訴えるときに、どこの自己利益に訴えるかも重要です。
食欲、性欲などマズローのピラミッド底辺部を避けることも重要です。
6. Story 物語性
最後にアイディアにストーリーを持たせます。
人は論理ではなく物語のほうが伝わり、覚えているからだと僕は思います。
加える物語として下の2つの方向性があります。
1. シュミレーションとしての物語(行動のしかたを教える)
2. 励ましとしての物語(行動を起こすエネルギーを与える)
そして、人を励ますストーリーとして下の3つのパターンがあるので、参考にされるといいと思います。
人を励ます物語の発見法
3つの筋書きを探す:
- 「挑戦」(障害の克服)
- 「絆」(仲良くする。絆の回復)
- 「創造性」(新しい発想)
跳躍台となる物語
最後に
本書で提示しているフレームワーク"SUCCES"は知ってから良いアイディアと企画はSUCCESであるべきだなと思います。
それだけでなく、TwitterでたくさんRTされるつぶやきはシンプルで意外性があるのがほとんどとも思います。
そして、自分でアイディアなどを考えてみて分かるのが、意外性を考え出すのが難しいということだ。
意外性とはどういうことなのかというのを今後はじっくり分析して考えてみたいと思う。
アイデアのちから興味のある方は是非手に取ってみてください。
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