アメリカのビジネスの現場で使われて、あまり習わない英単語を知りたくありませんか?
私は今の時点でサンフランシスコに本社を持つ Dropbox で働いてから2年が過ぎました。この2年で自分の知らなかったが、よく聞く英単語を21個ほど紹介します。
ちなみにDropboxはIT企業でサンフランシスコ、シリコンバレーには世界中から素晴らしい人たちが集まっています。そんな環境でよく聞く英単語なので多少なりとも参考になれば嬉しいです。
写真は2015年、Dropbox 入社時に Yosemite に行ったときの写真です。
1. Action items やることリスト、To Do List
発音記号:ækʃən άɪṭəm
読み方:アクション アイテムズ
解説
打ち合わせの最後にやることをリストをまとめますよね。そのときにTo Do listと言わずに Action itemsと言います。
例文
I wrote down the action items from this meeting in our meeting memo.
If the DRI is not correct feel free to correct them.
和訳: このミーティングで話し合って出てきた、タスクを議事録に書いておきます。
タスクの担当者を割り当ててみたので、違ってたら治してください。
※DRI は Directly Responsible Individualの略で、簡単に言うとそのタスクの責任者のことだ。
DRIを直訳すると、「直接的に責任のある個人」となります。
2. Articulate はっきりと言う、分かりやすく説明する
発音記号:ɑɚtíkjʊlèɪt
読み方:アーティクレイト
解説
私がアメリカ本社の同僚に日本で実施したことを説明したときに、Can you articulate what happened?(和訳:何が起こったか分かりやすく説明して)と言われた。
Please tell me what happened と言ってもいいだろうが、たまにarticulateなんて単語を使ったら賢そうに思われるかもしれないですね。
また、articulateは「自分の考えをはっきりと伝えることができる」という褒め言葉としても使われます。
例文
Can you articulate what happened at this campaign?
和訳:このキャンペーンがどうだったのか分かりやすく説明して
He is an articulate person
和訳:彼は考えをうまく伝えることができる人だね
3. At scale 大規模に
発音記号: ət; ˈskeɪl
読み方:アット スケール
解説
規模が大きいことを表現する時に使われているのを見ます。
at a large scale と同様の意味のようです。at a large scale の "a large" を省いて言っているのかと推測しています。
例文
The experiment won and the conversion rate increased by 10%.
Estimated to contribute $XXXk revenue at scale.
和訳: テストは成功し、購買率を10%改善した。
年間の想定売上効果はXX万ドルと規模が大きい。
4. Clarify 明らかにする、分かりやすく説明する
発音記号:klˈærəfὰɪ
読み方:クラリファイ
解説
相手が話していることを確かめたいときに使います。
さらに自分の言いたいことを分かりやすく説明したいときに決まり文句のように Let me clarify と使います。
例文
Could you please clarify what you told me last time to him.
和訳: 彼に前回、私に話したことを分かりやすく説明してくれないか
Oh I talk too much. Let me clarify and make things clear.
和訳:たくさんのことをいっぺんに話しすぎたね。 分かりやすく説明させて、そして、クリアにしよう。
5. Double down リスク覚悟で掛ける
発音記号:dˈʌbl dάʊn
読み方:ダブル ダウン
使われた場面・背景
Double down は Table stakes と同様ギャンブルが語源の言葉です。 Double down はブラックジャックで倍掛けすることを意味します。
ビジネスでは、「リスク覚悟でそのことに掛ける」という意味を持ちます。
例文
We are going to double down on our consumer product growth for next year.
和訳: 来年私たちは、コンシューマー向け製品の成長に集中していく
6. Do's and Don'ts すべきこと、すべきでないこと 、心得
発音記号:dˈɔːs ən(d) dóʊnts
読み方:ドゥーズ アンド ドンツ
解説
Do's and Don'tsの和訳は「すべきこと、すべきでないこと」です。
何かをレクチャーする説明書などによく書いてあります。
例えば、インタビューでのやるべきこととやってはいけないことを資料に書きたいときは、冒頭にDo's and Don'tsと書いておけば分かりやすいです。
例文
This is the do's and don'ts at the interview as a interviewer.
Please read carefully and feel free to ask me anything.
和訳: インタビューの時にインタビューする側としての心得がこれです。
ちゃんと読んで、聞きたいことがあればなんでも私に聞いてね。
7. Elaborate 詳しく述べる 、念入りに作る、磨きをかける
発音記号:ɪlˈæb(ə)rət, əl‐
読み方:エラボレイト
解説
Elaborate は形容詞と動詞の2つの形を持ちます。それぞれ場合の意味を下に書きます。
- 形容詞:念入りに作る、苦心して仕上げる、精巧に作り上げる
- 動詞:磨きをかける、詳しく述べる
私がよく聞くのは動詞で使っている場合です。相手が言ったことを詳しく聞きたいときによく聞きます。
また、Explain「説明する」と似た言葉だと思う人も多いと思います。
こちらの記事が分かりやすく説明してますが、elaborate は explain と違って相手を理解させようと説明する訳ではないというのだ。例文を引用すると下の感じです。
I explained this opinion. 私はこの意見を(理解できるように)説明した。 I elaborated on this opinion. 私はこの意見について詳しく述べた(理解させる意図があるかどうかは言及していない)。
例文
Can you elaborate what you've just said?
和訳: 今、話したことについて詳しく話して
8. Encapsulate カプセルに包む 要約する
発音記号:ɪnkˈæpsəlèɪt
読み方:エンカプスレイト
解説
何かを要約、まとめるときにこの言葉を使うのをよく見聞きします。
encapsulateはcapsel(カプセル)を動詞にしたものです。
単語を分解すると、capselの頭の”en”は「〜の状態にする」という意味、終わりの"ate"は「〜する」と単語を動詞にします。
例文
Encapsulate the web page into a separate blocks to make the page more reusable.
和訳: Webページにより汎用性を持たせるために Webページをブロックごとにまとめましょう。
The new feature encapsulates:
1. Automatic shopping list generation
2. Automatic shopping
3. Automatic cooking
和訳: 新しい機能はこれらをまとめてます。
1. 自動買い物リスト作成
2. 自動で買い物
3. 料理も自動
9. Experiment 実験、ABテスト
発音記号:ekspérəmənt
読み方:エクスペリメント
解説
Dropbox,Facebook,Instagramなどネット上でサービス提供している企業はABテストを毎日行っています。
ABテストとは、例えば、化粧品を販売するWebサイトで話をしてみます。
ページには化粧水の商品写真と説明文などが書いてあります。また、商品を買い物カゴに入れるためのボタンもあります。ボタンには、「カートに入れる」と書いてます。
あなたはボタンの文言が「今すぐ購入」と変えたほうがいいと思ったとしましょう。
そしてABテストを作ります。Webサイトに来る50%の人には「カートに入れる」と書いたボタンを見せます。
他の50%には「今すぐ購入」と書かれたボタンを見せます。そして、どちらの文言のほうが購買率が高いのかを見ます。これがABテストです。
Dropbox では、ABテストとは言わずにExperimentとみんな言っています。StanfordのPodcastでInstagramのプロダクトマネジャーの講演を聞きましたが、彼もExperimentと言っていました。
例文
Last quarter we launched 10 experiments, and 4 of them won.
和訳:全クオーターはABテストを10個行い、そのうちの4つが勝ちました
10. Fluctuate 変動する、上下する
発音記号:flˈʌktʃuèɪt
読み方:フラクチュエイト
解説
数値、価格などが上下するときに使います。
僕がイギリスにいる同僚と話しているときに、彼女がオーダーが日々上下すると話したときにfluctuate と使ってました。
例文
The order fluctuates every day. I find the key indicators are A and B.
I'm planning to create an experiment to improve those indicators
和訳:注文が日々変動する。そして、AとBが大きな影響を与えていることがわかった。
だから、今、その2つの要素を改善するためのAB Testを考えているんだ。
11. Iterate 繰り返す
発音記号:íṭərèɪt
読み方:イタレイト
解説
ABテストを行って最初から成功することはあまりありません。そんな時は実施したABテストを行った時の仮説と結果を見たり、さらに深く分析をして、次のABテストを考えることをよくします。このようにしてテストを繰り返して改善するときにiterateを使います。
例文
My first experiment failed but I have tons of learnings.
So I can iterate.
和訳:最初のABテストの結果は良くなかったけど、たくさんの学びがあった
だから、改善して繰り返せる
iterateの名詞はiterationです。
12. Leverage テコ入れする
発音記号:lév(ə)rɪdʒ
読み方:レバレッジ
解説
Leverage は様々な場面で使われる言葉です。
日本語でテコ入れと訳しますが、日本語でテコ入れと言うと悪い状態のものを頑張ってよくするニュアンスがありますが、Levarage はそのようなニュアンスを含まみません。
例えば、We can levarage our present user base と言ったら、我々の既存ユーザーが使える!または利用できるという意味になります。
また、交渉のときにこちら側が持っている切り札のことを This is our levarage と言ったりもします。アメリカの人気ドラマの Prison Breakの主人公がよくこう言っていたのを覚えているのは僕だけではないと思います。
例文
Our blog traffic reached to half million monthly visitors.
We can leverage this traffic to other digital marketing tactics.
私たちのブログの訪問者数が月間50万人に達しました。
このトラフィックを他のデジタルマーケティングの施策に利用することができます。
13. Moonlight 副業をする、特に夜に
発音記号:múːnlὰɪt
読み方:ムーンライト
使われた場面・背景
Moonlight を直訳すると「月光」なのですが、別の意味で「副業をする」と言う意味があります。
語源としては、1954年ごろ月明かりを使って働いていた人をMoonlighterと呼んでいたそうです。それから、副業をすることをMoonlight と言うようになったみたいです。
例文
He's moonlighting as a cram school teacher after his day job.
和訳: 彼は昼間の仕事を終えてから、夜に塾で先生の副業をしている
14. Outing 外出、散歩、ピクニック
発音記号:‐ṭɪŋ
読み方:アウトティング
解説
会社でoutingと使うと、同僚たちと外食することを意味することがほとんどです。
チームメンバーで外食をして、親睦を深めるということですね。
例文
The last outing was a very meaningful one. We should do it every quarter.
和訳: 前回の外食はとても有意義なものだった。毎クオーターやるべきじゃない。
15. Outperform より優れたパフォーマンスをする
発音記号:áʊtpɚfɔ̀rm
読み方:アウトパフォーム
解説
Perform (意味:演じる、実行する)にoutが付いた単語です。ここでのoutは「追い越す」という意味を持つので、組み合わせて
「より優れたパフォーマンスをする」という意味になります。
例えば、誰かの営業成績がすごかったときに、He outperformed all of the sales guys. などが言えます。
例文
Design-heavy email layouts outperformed text-based layouts.
和訳: デザインされたレイアウトはテキストベースのメールよりもいい結果を出した。
16. Preso プレゼンテーション
発音記号:pɹɛzəʊ
読み方:プレソ
解説
プレゼンテーションを略して Preso と言います。
特にプレゼン資料を Preso と言ったり、書いたりしている場面を多くみます。
例文
Thanks for attending today's meeting. You can find the preso from this link.
Feel free to ping me if you have any question.
和訳:
今日のミーティングに参加してくれてどうもありがとう。今日のプレゼン資料はこちらのリンクから見ることができます。
質問があったら気軽に連絡ください。
17. Proactive 先を読む態度
発音記号:próʊǽktɪv
読み方:プロアクティブ
解説
先を読んで行動する時の態度、考えをプロアクティブな態度と言っています。この反対の言葉は Reactive (和訳:反応的な)です。例えば、上司に言われる前に提案してしまうとか、そんな行動は Proactive です。
例文
Aさん: I'd like to create a plan before he will ask at the next meeting.
Bさん: Oh that's proactive. I like that style.
和訳:
Aさん: 次のミーティングまで、彼が聞いてくる前に僕は計画を作ってしまおうと思っているんだ。
Bさん: おお!先を読んでいるね。そのスタイル好きだよ。
18. Rationale 論理的根拠、論理的解釈
発音記号:r`æʃənˈæl
読み方:ラシオナル
解説
アイディア、提案の裏にある根拠を知りたいときに同僚がこの言葉を使って質問していました。
例文
What's the rationale to build this tool rather than buying the same kind of tool. 和訳:似たようなツールを買うのではなく、自社で作る論理的な根拠は何ですか?19. Skate where the puck goes パックが向かうところに滑っていく
発音記号:
読み方:スケイト ウエア ザ パック ゴーズ
解説
アイスホッケー選手:ウェイン・グレツキーが言った名言の中から取り出した言葉です。
Skate to where the puck is going to be, not where it has been. アイスホッケー用のパックが行くところにスケートするんだ。パックがあったところじゃない。
過去に囚われず、未来に目を向けて動こうと言うときにこの言葉が使えます。
例文
We skate where the puck goes, right?
和訳: 俺たちはパックの向かう方向に滑るじゃん。
会社が向かう方向に仕事するよね
20. Table stakes 最低やること
発音記号:téɪbl stéɪks
読み方:テーブルステイクス
解説
ビジネスで使われる時の意味は、「最低やること」「できて当たり前のこと」などの意味を持つ。
もともとポーカー用語で、自分がテーブルの上に置いてあるだけのお金しか賭けられないと言うルールのことである。
例文
Hitting the quarter is a table stakes.
和訳:四半期の数字を達成することは行うことだ
21. Tl;dr まとめると
発音記号:tl dr
読み方:ティー エル ディ アール
解説
tl;drはToo long don't read(和訳:長すぎて読まない)の頭文字をとったものです。
Dropboxに入社してからメール、書類が送られると冒頭にtl;drと書いて、その下に箇条書きで3行ぐらいで、このメール、書類が何を言いたいのかを書いています。
立場が上で決裁権を持っている人たちは忙しいので、メール、書類すべてに目を通す前にtl;drのサマリーが書いてあることを好みます。
口頭で話すときは同じ意味で long story short (和訳:短く言うと)と言いますね。
例文
tl;dr
1. Potential revenue uplift in region A - $1.5M-$5M
2. How - Apply succeed experiments in region B
和訳:
tl;dr
1. A地区で$1.5M-$5Mの売上増加のポテンシャル
2. 方法:B地区で成功した実験を実施
22. Trajectory 方向、軌道
発音記号:trədʒéktəri
読み方:トラジェクトリー
解説
例えば、これからの会社の成長を説明したときに、今までの成長率をもとに未来はこんな軌道で成長すると話すときにtrajectoryとよく聞きます。
例文
Last year we grew 50%. This year we will increase the momentum.
This is the trajectory I see.
和訳:去年、我々は50%の成長を成し遂げた。今年はこの勢いをさらに強める。
これが私が見ている方向だ
23. Weaponize 武器化する、武器にする
発音記号:wépənàiz
読み方:ウエポナイズ
解説
武器:Weaponの動詞系が Weaponize だ。
最近、言われたことに使われていたのでここに掲載してみた。
言われた内容を例文に書くので参考にしてくれたら嬉しいです。
例文
You weaponized the blog. Now it has tremendous amount of traffic and generates revenue.
Other countries are way behind that. This is not a easy thing.
和訳: お前はブログを武器に変えた。今、とんでもないトラフィックを作り、売上も作るようになった。
他国はここまでできていない。これは簡単なことじゃないよね。
最後に
ビジネス現場で聞く英語は、教室で学ぶ英語とカジュアルな場で話す英語とは違うなと感じています。
何か勉強になった単語、言い回しがあったら嬉しいです。
下の本は私の父が書いた本です。長い間ビジネスで英語を使っていたのであなたにとって何か学びがあるかもしれません。
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